ん》は似たりしが、今夜は額を破るのでない。
「練ものを待つ内、退屈じゃ。多一やい、皆への馳走《ちそう》に猿を舞わいて見せてくれ。恥辱《はじ》ではない。汝《わり》ゃ、丁稚《でっち》から飛上って、今夜から、大阪の旦那の一|人《にん》。旧《むかし》を忘れぬためという……取立てた主人の訓戒《いましめ》と思え。
呼べ、と言えば、婦《おんな》どもが愚図《ぐず》々々|吐《ぬか》す。新枕《にいまくら》は長鳴鶏《ながなきどり》の夜《よ》があけるまでは待かねる。
主従は三世の中じゃ、遠慮なしに閨へ推参に及んだ、悪く思うまいな。汝《わり》ゃ、天王寺境内に太鼓たたいていて、ちょこんと猿|負背《おんぶ》で、小屋へ帰りがけに、太夫どのに餅買うて、汝《われ》も食いおった、行帰りから、その娘は馴染《なじみ》じゃげな。足洗うて、丁稚になるとて、右の猿は餅屋へ預けて、現に猿ヶ餅と云うこと、ここに居る婦《おんな》どもが知った中。
田畝《たんぼ》の鼠が、蝙蝠《こうもり》になった、その素袍《すおう》ひらつかいたかて、今更隠すには当らぬやて。
かえって卑怯《ひきょう》じゃ。
遣《や》ってくれい。
が、聞く通り、ちゃと
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