当世女装一斑
泉鏡花
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)裸美人《らびじん》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)親指|反《かえ》つて
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)文七元結《ぶんしちもとゆひ》[#「文七元結」は底本では「文六元結」]
[#…]:返り点
(例)奉[#レ]仕
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)あら/\
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こゝに先づ一個の裸美人《らびじん》ありと仮定せよ、一代女に記したる、(年紀《とし》は十五より十八まで、当世顔は少し丸く、色は薄花桜《うすはなざくら》にして面道具《おもてだうぐ》の四つ不足なく揃ひて、目は細きを好まず、眉濃く、鼻の間せはしからず次第高《しだいだか》に、口小さく、歯並《はならび》あら/\として皓《しろ》く、耳長みあつて縁浅く、身を離れて根まで見透き、額はわざとならず自然の生えどまり、首筋立伸びて後れなしの後髪《おくれがみ》、手の指はたよわく長みあつて爪薄く、足は八文三分に定《さだ》め、親指|反《かえ》つて裏すきて、胴間《どうのあひだ
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