あり。
帯留《おびどめ》
帯揚《おびあげ》を結びて帯をしめたる後、帯の結めの下に通して引廻し、前にて帯の幅の中ばに留む、これも紐にて結ぶあり、パチンにて留《と》むるあり。この金具《かなもの》のみにても、貴重なるものは百金を要す、平打《ひらうち》なるあり、丸打《まるうち》なるあり、ゴム入あり、菖蒲織《しやうぶおり》あり、くはしくは流行の部に就いて見るべし。
扱帯《しごき》
帯留の上になほ一条の縮緬を結ぶ。ぐるりとまはしてゆるく脇にて結ぶもの、これを扱帯《しごき》といふなり。多くは桃割《もゝわれ》、唐人髷時代《たうじんまげじだい》に用ふ。島田《しまだ》、丸髷《まるまげ》は大抵帯留のみにて済ますなり、色は人々の好《このみ》に因る。
浴衣《ゆかた》
浴衣《ゆかた》は湯雑巾《ゆあがり》の略称のみ。湯あみしてあがりたる後に纏《まと》ふゆゑにしか名づく。今《いま》木綿《もめん》の単衣をゆかたといふも、つまり湯上りの衣《きぬ》といふことなり。
湯巻《ゆまき》
|奉[#レ]仕[#二]御湯殿[#一]之人所[#レ]着衣也《おゆどのにつかへたてま
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