を変え、色々にしてみたが、どうしてもお前は思い切らない、何思い切れないのだな、それならそれで可いようにして上げようから。」
 と言聞かしながら、小宮山の方を振向いたのでありまする。
「お客様、お前は性悪《しょうわる》だよ、この子がそれがためにこの通りの苦労をしている、篠田と云う人と懇意なのじゃないか、それだのにさ、道中荷が重くなると思って、託《ことづけ》も聞こうとはせず、知らん顔をして聞いていたろう。」
 と鋭い目で熟《じっ》と見られた時は、天窓《あたま》から、悚然《ぞっ》として、安本|亀八《かめはち》作、小宮山良助あッと云う体《てい》にござりまする活人形《いきにんぎょう》へ、氷を浴《あび》せたようになりました。
「その換《かわ》り少しばかり、重い荷を背負《しょ》わして上げるから、大事にして東京まで持って行きなさい。託《ことづけ》というのはそれなんだがね、お雪はとても扶《たすか》らないのだから、私も今まで乗懸《のりかか》った舟で、この娘の魂をお前さんにおんぶをさして上げるからね、密《そっ》と篠田の処まで持って行くのだよ。さぞまあお邪魔でございましょうねえ。」

       十八

 
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