らびょうし》に扮《ふん》したる俳優《やくしゃ》。一ツ目小僧の童男童女。村の児《こ》五、六人。
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禰宜 (略装にて)いや、これこれ(中啓《ちゅうけい》を挙《あ》げて、二十五座の一連《いちれん》に呼掛《よびか》く)大分《だいぶ》日もかげって参った。いずれも一休みさっしゃるが可《よ》いぞ。
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この言葉のうち、神楽《かぐら》の面々、踊《おどり》の手を休《や》め、従って囃子《はやし》静まる。一連皆|素朴《そぼく》なる山家人《やまがびと》、装束《しょうぞく》をつけず、面《めん》のみなり。――落葉散りしき、尾花《おばな》むら生《お》いたる中に、道化《どうけ》の面、おかめ、般若《はんにゃ》など、居《い》ならび、立添《たちそ》い、意味なき身ぶりをしたるを留《とど》む。おのおのその面をはずす、年は三十より四十ばかり。後見《こうけん》最も年配なり。
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後見 こりゃ、へい、……神《かん》ぬし様。
道化の面の男 お喧《やかま》しいこ
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