、座敷はさながら手毬の錦――落ちた木《こ》の葉も、ぱらぱらと、行燈《あんどう》を繞《めぐ》って操る紅《くれない》。中を縢《かが》って雪の散るのは、幾つとも知れぬ女の手と手。その手先が、心なしにちょいちょい触ると、僧の手首が自然《おのずから》はたはたと躍上《おどりあが》った。
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(京へのぼせて狂言させて、
 寺へのぼせて[#「のぼせて」は底本では「のぼせた」]手習《てならい》させて、
 寺の和尚が道楽和尚で、
 高い縁から突落されて、)
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 と衝《つ》と投げ上げて、トンと落して、高くついた。
 待てよ。古郷《ふるさと》の涅槃会《ねはんえ》には、膚《はだ》に抱き、袂《たもと》に捧げて、町方の娘たち、一人が三ツ二ツ手毬を携え、同じように着飾って、山寺へ来て突競《つきくら》を戯れる習慣《ならい》がある。少《わか》い男は憚《はばか》って、鐘撞《かねつき》堂から覗《のぞ》きつつその遊戯《あそび》に見愡《みと》れたが……巨刹《おおでら》の黄昏《たそがれ》に、大勢の娘の姿が、遥《はるか》に壁に掛《かか》った、極彩色の涅槃《ねはん》の絵と、同一状《おなじさま
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