草あやめ
泉鏡花
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)江戸児《えどつこ》
|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)其の声|恰《あたか》も
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、底本のページと行数)
(例)※[#「※」は「てへんに劣」、第3水準1−84−77、215−15]《むし》り
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)へい/\召しましと
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」。
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二丁目の我が借家の地主、江戸児《えどつこ》にて露地を鎖さず、裏町の木戸には無用の者|入《い》るべからずと式《かた》の如く記したれど、表門には扉さへなく、夜が更けても通行勝手なり。但《たゞ》知己《ちかづき》の人の通り抜け、世話に申す素通りの無用たること、我が思《おもひ》もかはらず、然《さ》りながらお附合五六軒、美人なきにしもあらずと雖《いへど》も、濫《みだり》に垣間見《かいまみ》を許さず、軒に御神燈の影なく、奥に三味《さみ》の音《ね》の聞ゆる類《たぐひ
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