行《ある》いた事《こと》を言出《いひだ》すと、皆《みな》まで恥《はぢ》を言《い》はぬ内《うち》に……其《そ》の若《わか》い男《をとこ》が半分《はんぶん》で合点《がつてん》したんです。」
 さあ、亭主《ていしゆ》も飛《とん》でも無《な》い顔《かほ》をする。捜《さが》すのに、湯殿《ゆどの》や小用場《こようば》では追着《おつつ》かなく成《な》つた。
『権七《ごんしち》や、主《ぬし》は先《ま》づ、婆様《ばあさま》が店《みせ》へ走《はし》れ、旦那様《だんなさま》、早速《さつそく》人《ひと》を出《だ》しますで、お案《あん》じなさりませんやうに。主《ぬし》も働《はたら》いてくれ、さあ、来《こ》い、』
と若《わか》いものを連《つ》れて、どたばた引上《ひきあ》げる時分《じぶん》には、部屋《へや》の前《まへ》から階子段《はしごだん》の上《うへ》へ掛《か》けて、女中《ぢよちゆう》まじりに、人立《ひとだ》ちがするくらゐ、二階《にかい》も下《した》も何《なに》となく騒《さは》ぎ立《た》つ。
 雨戸《あまど》を開《あ》けて欄干《らんかん》から外《そと》を見《み》ると、山気《さんき》が冷《ひやゝ》かな暗《やみ》を縫
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