》のやうなものでは無《な》く、恰《あだか》も練絹《ねりぎぬ》を解《と》いたやうで、蝶《てふ/\》のふわ/\と吐《つ》く呼吸《いき》が、其《その》羽《はね》なりに飜々《ひら/\》と拡《ひろ》がる風情《ふぜい》で、然《しか》も皆《みな》美《うつく》しい女《をんな》の姿《すがた》を象《かたど》る。其《そ》の或《ある》ものは裳《もすそ》黄《き》に、或《ある》ものは袖《そで》紫《むらさき》に……
紫《むらさき》なるは菫《すみれ》の影《かげ》で、黄《き》なるは鼓草《たんぽゝ》の花《はな》の映《うつ》り添《そ》ふ色《いろ》であつた。
巌《いは》のあたりは、此《こ》の二種《ふたいろ》の花《はな》、咲《さ》き埋《うづ》むばかり満《み》ちて居《ゐ》る……其等《それら》色《いろ》ある陽炎《かげらふ》の、いづれ手《て》にも留《と》まらぬ女《をんな》の風情《ふぜい》した中《なか》に、唯《たゞ》一人《いちにん》濃《こまや》かに雪《ゆき》を束《つか》ねたやうな美女《たをやめ》があつて、巌《いは》の彼方《かなた》に恰《あだか》も卓《つくえ》に向《むか》つて立《た》つ状《さま》して彳《たゝず》んだ。
雪枝《ゆきえ
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