来《き》て用《よう》を達《た》してくれたのは其《そ》の男《をとこ》で。時《とき》とすると、二時三時《ふたときみとき》も傍《そば》に居《ゐ》て熟《じつ》と私《わたし》の仕事《しごと》を見《み》て居《ゐ》る。口《くち》も出《だ》さず邪魔《じやま》には成《な》らん。
で、下仕事《したしごと》の手伝《てつだひ》ぐらゐは間《ま》に合《あ》つたんです。」
と雪枝《ゆきえ》は更《あらた》めて言《い》つた。
「処《ところ》で、一刻《いつこく》も疾《はや》く仕上《しあ》げにしやうと思《おも》ふから、飯《めし》も手掴《てづか》みで、水《みづ》で嚥下《のみおろ》す勢《いきほひ》、目《め》を据《す》えて働《はたら》くので、日《ひ》も時間《じかん》も、殆《ほと》んど昼夜《ちうや》の見境《みさかひ》はない。……女《をんな》の像《ざう》の第一作《だいいつさく》が、まだ手足《てあし》までは出来《でき》なかつたが、略《ほゞ》顔《かほ》の容《かたち》が備《そな》はつて、胸《むね》から鳩尾《みづおち》へかけて膨《ふつく》りと成《な》つた、木材《もくざい》に乳《ちゝ》が双《なら》んで、目鼻口元《めはなくちもと》の刻《きざ》
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