う》指示のもとに、化鳥の類の所為《しょい》にもやと存じ候――
[#地から2字上げ]西明寺   木魚。
 和尚さんも、貧地の癖に「木魚」などと洒落《しゃ》れている。が、それはとにかく――(上人の手紙は取意の事)東京の小県へこの来書の趣は、婦人が受辱《じゅにく》、胎蔵《たいぞう》の玻璃《はり》を粉砕して、汚血《おけつ》を猟色の墳墓に、たたき返したと思われぬでもない。
[#地から1字上げ]昭和八(一九三三)年一月



底本:「泉鏡花集成9」ちくま文庫、筑摩書房
   1996(平成8)年6月24日第1刷発行
底本の親本:「鏡花全集 第二十三卷」岩波書店
   1942(昭和17)年6月22日発行
入力:門田裕志
校正:土屋隆
2006年3月27日作成
青空文庫作成ファイル:
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