森の紫陽花
泉鏡花
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)千駄木《せんだぎ》の
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「彳+尚」、第3水準1−84−33]※[#「彳+羊」、第3水準1−84−32]《さまよ》へる
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ちやら/\と
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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千駄木《せんだぎ》の森《もり》の夏《なつ》ぞ晝《ひる》も暗《くら》き。此處《こゝ》の森《もり》敢《あへ》て深《ふか》しといふにはあらねど、おしまはし、周圍《しうゐ》を樹林《きばやし》にて取卷《とりま》きたれば、不動坂《ふどうざか》、團子坂《だんござか》、巣鴨《すがも》などに縱横《たてよこ》に通《つう》ずる蜘蛛手《くもで》の路《みち》は、恰《あたか》も黄昏《たそがれ》に樹深《こぶか》き山路《やまぢ》を辿《たど》るが如《ごと》し。尤《もつと》も小石川《こいしかは》白山《はくさん》の上《うへ》、追分《おひわけ》のあたり
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