雪靈續記
泉鏡花

−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)機會《きくわい》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)一|夜《や》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]《まは》る

/\:二倍の踊り字(「く」を縱に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)見《み》る/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−

        一

 機會《きくわい》がおのづから來《き》ました。
 今度《こんど》の旅《たび》は、一體《いつたい》はじめは、仲仙道線《なかせんだうせん》で故郷《こきやう》へ着《つ》いて、其處《そこ》で、一事《あるよう》を濟《すま》したあとを、姫路行《ひめぢゆき》の汽車《きしや》で東京《とうきやう》へ歸《かへ》らうとしたのでありました。――此《この》列車《れつしや》は、米原《まいばら》で一體分身《いつたいぶんしん》して、分《わか》れて東西《とうざい》へ馳《はし》ります。
 其《それ》が大雪《おほゆ
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