きました。
 私《わたし》は眠《ねむ》るやうに、學校《がくかう》の廊下《らうか》に倒《たふ》れて居《ゐ》ました。
 翌早朝《よくさうてう》、小使部屋《こづかひべや》の爐《ゐろり》の焚火《たきび》に救《すく》はれて蘇生《よみがへ》つたのであります。が、いづれにも、然《しか》も、中《なか》にも恐縮《きようしゆく》をしましたのは、汽車《きしや》の厄《やく》に逢《あ》つた一|人《にん》として、驛員《えきゐん》、殊《こと》に驛長《えきちやう》さんの御立會《おたちあひ》に成《な》つた事《こと》でありました。



底本:「鏡花全集 卷二十一」岩波書店
   1941(昭和16)年9月30日第1刷発行
   1975(昭和50)年7月2日第2刷発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:土屋隆
校正:門田裕志
2005年11月1日作成
青空文庫作成ファイル:
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