れられん、朧夜《おぼろよ》にはそこぞと思う小路々々を※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1−84−33]※[#「彳+羊」、第3水準1−84−32]《さまよ》い※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1−84−33]※[#「彳+羊」、第3水準1−84−32]い日を重ねて、青葉に移るのが、酔のさめ際のように心寂しくってならなかった――人は二度とも、美しい通魔《とおりま》を見たんだ、と言う……私もあるいはそうかと思った。)
 貴婦人が聞澄まして、
(二度目のは引越した処でしょう!)
 と少《わか》い人に言うんです。
(物干で、花見をしたり、藪《やぶ》の中を歩行《ある》いたり、やっぱり、皆《みんな》こういう身体《からだ》になる前兆でしょう。よく貴下《あなた》、お胸に留めて下さいました。姉さん、私もう一度緋色の帯がしめたいわ。)
 と、はらはらと落涙して、
(お恥かしいが……)
 ――と続いて話した。――
 で、途中介抱しながら、富山へ行って、その裁判長の家に落着く。医者では不可《いか》ん、加持祈祷《かじきとう》と、父親の方から我《が》を折ってお札、お水、護摩となると、元々そういう容体ですから、少しずつ
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