のや》が多いでございます、紙、煙草《たばこ》、蚊遣香《かやりこう》、勝手道具、何んでも屋と言った店で。床店《とこみせ》の筋向《すじむこ》うが、やはりその荒物店《あらものみせ》であります処《ところ》、戸外《おもて》へは水を打って、軒《のき》の提灯《ちょうちん》にはまだ火を点《とも》さぬ、溝石《みぞいし》から往来へ縁台《えんだい》を跨《また》がせて、差向《さしむか》いに将棊《しょうぎ》を行《や》っています。端《はし》の歩《ふ》が附木《つけぎ》、お定《さだま》りの奴で。
 用なしの身体《からだ》ゆえ、客人が其処《そこ》へ寄って、路傍《みちばた》に立って、両方ともやたらに飛車《ひしゃ》角《かく》の取替《とりか》えこ、ころりころり差違《さしちが》えるごとに、ほい、ほい、と言う勇ましい懸声《かけごえ》で。おまけに一人の親仁《おやじ》なぞは、媽々衆《かかしゅう》が行水《ぎょうずい》の間、引渡《ひきわた》されたものと見えて、小児《こども》を一人|胡坐《あぐら》の上へ抱いて、雁首《がんくび》を俯向《うつむ》けに銜《くわ》え煙管《ぎせる》。
 で銜《くわ》えたまんま、待てよ、どっこい、と言うたびに、煙管《
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