きせる》が打附《ぶつか》りそうになるので、抱かれた児《こ》は、親仁より、余計に額《ひたい》に皺《しわ》を寄せて、雁首《がんくび》を狙《ねら》って取ろうとする。火は附いていないから、火傷《やけど》はさせぬが、夢中で取られまいと振動《ふりうご》かす、小児《こども》は手を出す、飛車を遁《に》げる。
よだれを垂々《たらたら》と垂らしながら、占《しめ》た! とばかり、やにわに対手《あいて》の玉将《たいしょう》を引掴《ひッつか》むと、大きな口をへの字形《じなり》に結んで見ていた赭《あか》ら顔《がお》で、脊高《せいたか》の、胸の大きい禅門《ぜんもん》が、鉄梃《かなてこ》のような親指で、いきなり勝った方の鼻っ頭《ぱしら》をぐいと掴《つか》んで、豪《えら》いぞ、と引伸《ひんの》ばしたと思《おぼ》し召せ、ははははは。」
十八
「大きな、ハックサメをすると煙草《たばこ》を落した。額《おでこ》こッつりで小児《こども》は泣き出す、負けた方は笑い出す、涎《よだれ》と何んかと一緒でござろう。鼻をつまんだ禅門《ぜんもん》、苦々《にがにが》しき顔色《がんしょく》で、指を持余《もてあま》した、塩梅《あ
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