《しやりんのごとし》。
かくて餘物《よぶつ》を覩《み》るや。皆《みな》丘山《きうざん》もたゞならず、乃《すなは》ち自《みづか》ら射《い》る。射《い》るに從《したが》うて、※[#「竹かんむり/輪」、第3水準1−89−78]《りん》盡《こと/″\》く蟲《むし》の心《むなもと》を貫《つらぬ》く。以《もつ》て飛衞《ひゑい》に告《つ》ぐ。先生《せんせい》、高踏《かうたふ》して手《て》を取《と》つて曰《いは》く、汝得之矣《なんぢこれをえたり》。得之《これをえ》たるは、知《し》らず、機《はた》の下《もと》に寢《ね》て梭《ひ》の飛《と》ぶを視《み》て細君《さいくん》の艷《えん》を見《み》ざるによるか、非乎《ひか》。
[#地から5字上げ]明治三十九年二月
底本:「鏡花全集 巻二十七」岩波書店
1942(昭和17)年10月20日第1刷発行
1988(昭和63)年11月2日第3刷発行
※題名の下にあった年代の注を、最後に移しました。
入力:門田裕志
校正:土屋隆
2007年4月9日作成
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