かいぶね》と、八人の厄介《やっかい》船頭と、二十余人の厄介《やっかい》客とは、この一個の厄介物《やっかいもの》の手に因《よ》りて扶《たす》けられつつ、半時間の後《のち》その命を拾いしなり。この老《お》いて盲《めしい》なる活大権現《かつだいごんげん》は何者ぞ。渠《かれ》はその壮時《そうじ》において加賀《かが》の銭屋内閣《ぜにやないかく》が海軍の雄将《ゆうしょう》として、北海《ほっかい》の全権を掌握《しょうあく》したりし磁石《じしゃく》の又五郎《またごろう》なりけり。



底本:「新潟県文学全集 第1巻 明治編」郷土出版社
   1995(平成7)年10月26日発行
底本の親本:「泉鏡花全集1」岩波書店
初出:「太陽 創刊号」
入力:高田農業高校生産技術科流通経済コース
校正:小林繁雄
2006年9月18日作成
青空文庫作成ファイル:
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