紅玉
泉鏡花

−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)停車場《ステェション》の方

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)水|汲《く》むぞ

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)小児等《こどもら》を※[#「目+句」、第4水準2−81−91]《みまわ》す。
−−

[#ここから2字下げ]
時。
  現代、初冬。
場所。
  府下郊外の原野。
人物。
  画工。侍女。(烏の仮装したる)
  貴夫人。老紳士。少紳士。小児五人。
   ――別に、三羽の烏。(侍女と同じ扮装)
[#ここで字下げ終わり]
[#改ページ]

[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
小児一 やあ、停車場《ステェション》の方の、遠くの方から、あんなものが遣《や》って来たぜ。
小児二 何だい何だい。
小児三 ああ、大《おおき》なものを背負《しょ》って、蹌踉々々《よろよろ》来るねえ。
小児四 影法師まで、ぶらぶらしているよ。
小児五 重いんだろうか。
小児一 何だ、引越かなあ。
小児
次へ
全33ページ中1ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
泉 鏡花 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング