《えどッこ》じゃあがあせんか。いえさ、若山さんの小主公《わかだんな》でしょう。女《あま》の心中立《しんじゅうだて》を物珍らしそうに、世の中にゃあ出ねえの、おいらこれッきりだのと、だらしのねえ、もう、情婦《いろ》を拵えるのと、坊主になるのとは同一《おんなじ》ものじゃあございませんぜ。しかしまあ盲目《めくら》におなんなすったから、按摩《あんま》にゃあかけがえのねえ女だと、拝んでるんでしょう。でれでれとするのはお金子《かね》のある分だ、貴方のなんざ、女《あま》に縋《すが》るんだから堪《たま》りませんや。え、もし、そんなこッちゃあ女《あま》にだって愛想をつかされますぜ。貴方ほどの方がどういうもんです。いや、それとも按摩さんにゃあ相当か。」と、声を激ましていいながら、慶造は、目の見えぬ、窶《やつ》れた若山の面を見守って、目には涙を湛《たた》えていた。
「慶造!」と一喝した、渠《かれ》は蒼《あお》くなって、屹《きっ》と唇を結んだ。
「ええ、」
「用意が出来たらいつでも来い、同志の者の迎《むかい》なら、冥途《めいど》からだって辞さないんだ。失敬なことをいう、盲人《めくら》がどうした、ものを見るのが私
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