るといったようなわけであったそうな。
ひとしきりあの藪《やぶ》の前にある枇杷《びわ》の古木へ熊蜂《くまんばち》が来て恐《おそろ》しい大きな巣をかけた。
すると医者の内弟子《うちでし》で薬局、拭掃除《ふきそうじ》もすれば総菜畠《そうざいばたけ》の芋《いも》も掘《ほ》る、近い所へは車夫も勤めた、下男兼帯《げなんけんたい》の熊蔵という、その頃《ころ》二十四五|歳《さい》、稀塩散《きえんさん》に単舎利別《たんしゃりべつ》を混ぜたのを瓶《びん》に盗んで、内《うち》が吝嗇《けち》じゃから見附かると叱《しか》られる、これを股引《ももひき》や袴《はかま》と一所《いっしょ》に戸棚の上に載《の》せておいて、隙《ひま》さえあればちびりちびり飲んでた男が、庭|掃除《そうじ》をするといって、件《くだん》の蜂の巣を見つけたっけ。
縁側《えんがわ》へやって来て、お嬢様面白いことをしてお目に懸《か》けましょう、無躾《ぶしつけ》でござりますが、私《わたし》のこの手を握《にぎ》って下さりますと、あの蜂の中へ突込《つッこ》んで、蜂を掴《つか》んで見せましょう。お手が障った所だけは螫《さ》しましても痛みませぬ、竹箒《た
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