ひねたくあん》。
 それもさ、刻んだのではないで、一本三ツ切にしたろうという握太《にぎりぶと》なのを横銜《よこぐわ》えにしてやらかすのじゃ。
 婦人《おんな》はよくよくあしらいかねたか、盗《ぬす》むように私《わし》を見てさっと顔を赭《あか》らめて初心らしい、そんな質《たち》ではあるまいに、羞《はず》かしげに膝《ひざ》なる手拭《てぬぐい》の端《はし》を口にあてた。
 なるほどこの少年はこれであろう、身体《からだ》は沢庵色にふとっている。やがてわけもなく餌食《えじき》を平《たい》らげて湯ともいわず、ふッふッと大儀《たいぎ》そうに呼吸《いき》を向うへ吐《つ》くわさ。
(何でございますか、私は胸に支《つか》えましたようで、ちっとも欲しくございませんから、また後《のち》ほどに頂きましょう、)
 と婦人《おんな》自分は箸も取らずに二ツの膳を片づけてな。」

     二十一

「しばらくしょんぼりしていたっけ。
(貴僧《あなた》、さぞお疲労《つかれ》、すぐにお休ませ申しましょうか。)
(難有《ありがと》う存じます、まだちっとも眠くはござりません、さっき体を洗いましたので草臥《くたびれ》もすっかり復
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