き飛ばし、残らず灯《ひ》きえて真闇《まっくら》になり申し候。闇夜《やみよ》のなかに、唯一ツ凄《すさ》まじき音聞え候は、大木の吹折られたるに候よし。さることのくはしくは申上げず候。唯今風の音聞え候。何につけてもおなつかしく候。
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ぢい様
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底本:「外科室・海城発電 他五篇」岩波文庫、岩波書店
1991(平成3)年9月17日第1刷発行
2000(平成12)年9月5日第18刷発行
底本の親本:「鏡花全集 第三巻」岩波書店
1942(昭和17)年12月25日第1刷発行
初出:「新小説」第二年第六巻
1897(明治30)年5月
※「読みにくい語、読み誤りやすい語には現代仮名づかいで振り仮名を付す。」との底本の編集方針にそい、ルビの拗促音は小書きしました。
入力:門田裕志
校正:鈴木厚司
2003年8月31日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
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