いかい。」
笛吹は、こまかい薩摩《さつま》の紺絣《こんがすり》の単衣《ひとえ》に、かりものの扱帯《しごき》をしめていたのが、博多《はかた》を取って、きちんと貝の口にしめ直し、横縁の障子を開いて、御社《おやしろ》に。――一座|退《しさ》って、女二人も、慎み深く、手をつかえて、ぬかずいた。
栗鼠《りす》が仰向《あおむ》けにひっくりかえった。
あの、チン、カラ、カラカラカラカラ、笛吹の手の雀は雀、杓子は、しゃ、しゃ、杓子と、す、す、す、擂粉木を、さしたり、引いたり、廻り踊る。ま、ま、真顔を見さいな。笑わずにいられるか。
泡を吐き、舌を噛《か》み、ぶつぶつ小じれに焦《じ》れていた、赤沼の三郎が、うっかりしたように、思わず、にやりとした。
姫は、赤地錦の帯脇に、おなじ袋の緒をしめて、守刀《まもりがたな》と見参らせたは、あらず、一管の玉の笛を、すっとぬいて、丹花の唇、斜めに氷柱《つらら》を含んで、涼しく、気高く、歌口を――
木菟《みみずく》が、ぽう、と鳴く。
社の格子が颯《さっ》と開くと、白兎が一羽、太鼓を、抱くようにして、腹をゆすって笑いながら、撥音《ばちおと》を低く、かすめて打
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