った。
河童の片手が、ひょいと上って、また、ひょいと上って、ひょこひょこと足で拍子を取る。
見返りたまい、
「三人を堪忍してやりゃ。」
「あ、あ、あ、姫君。踊って喧嘩はなりませぬ。うう、うふふ、蛇も踊るや。――藪《やぶ》の穴から狐も覗《のぞ》いて――あはは、石投魚《いしなげ》も、ぬさりと立った。」
わっと、けたたましく絶叫して、石段の麓《ふもと》を、右往左往に、人数は五六十、飛んだろう。
赤沼の三郎は、手をついた――もうこうまいる、姫神様。……
「愛想《あいそ》のなさよ。撫子《なでしこ》も、百合も、あるけれど、活きた花を手折ろうより、この一折持っていきゃ。」
取らしょうと、笛の御手《みて》に持添えて、濃い紫の女扇を、袖すれにこそたまわりけれ。
片手なぞ、今は何するものぞ。
「おんたまものの光は身に添い、案山子《かかし》のつづれも錦《にしき》の直垂《ひたたれ》。」
翁が傍《かたわら》に、手を挙げた。
「石段に及ばぬ、飛んでござれ。」
「はあ、いまさらにお恥かしい。大海|蒼溟《そうめい》に館《やかた》を造る、跋難侘《ばつなんだ》竜王、娑伽羅《しゃがら》竜王、摩那斯《まなし》竜
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