とそこへ高拍子を打込んだのが、下腹《したっぱら》へ響いて、ドン底から節が抜けたものらしい。
 はっと火のような呼吸《いき》を吐く、トタンに真俯向《まうつむ》けに突伏《つッぷ》す時、長々と舌を吐いて、犬のように畳を嘗《な》めた。
(先生、御病気か。)
 って私あ莞爾《にっこり》したんだ。
(是非聞きたい、平にどうか。宗山、この上に聾《つんぼ》になっても、貴下《あなた》のを一番、聞かずには死なれぬ。)
 と拳《こぶし》を握って、せいせい言ってる。
(按摩さん。)
 と私は呼んで、
(尾上町の藤屋まで、どのくらい離れている。)
(何んで、)
 と聞く。
(間によっては声が響く。内証で来たんだ。……藤屋には私の声が聞かしたくない、叔父が一人寝てござるんだ。勇士は霜の気勢《けはい》を知るとさ――たださえ目敏《めざと》い老人《としより》が、この風だから寝苦しがって、フト起きてでもいるとならない、祝儀は置いた。帰るぜ。)
 ト宗山が、凝《じっ》と塞《ふさ》いだ目を、ぐるぐると動かして、
(暫《しばら》く、今の拍子を打ちなされ……古市から尾上町まで声が聞えようか、と言いなされる、御大言、年のお少《わか
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