みづ》ン中《なか》だと思《おも》つて叫《さけ》ばうとすると水《みづ》をのんだ。もう駄目《だめ》だ。
もういかんとあきらめるトタンに胸《むね》が痛《いた》かつた、それから悠々《いういう》と水《みづ》を吸《す》つた、するとうつとりして何《なん》だか分《わか》らなくなつたと思《おも》ふと溌《ぱつ》と糸《いと》のやうな真赤《まつか》な光線《くわうせん》がさして、一巾《ひとはゞ》あかるくなつたなかにこの身躰《からだ》が包《つゝ》まれたので、ほつといきをつくと、山《やま》の端《は》が遠《とほ》く見《み》えて私《わたし》のからだは地《つち》を放《はな》れて其頂《そのいたゞき》より上《うへ》の処《ところ》に冷《つめた》いものに抱《かゝ》へられて居《ゐ》たやうで、大《おほ》きなうつくしい眼《め》が、濡髪《ぬれがみ》をかぶつて私《わたし》の頬《ほゝ》ん処《とこ》へくつゝいたから、唯《たゞ》縋《すが》り着《つ》いてじつと眼《め》を眠《ねむ》つた[「眠つた」に「ママ」の注記]覚《おぼえ》がある。夢《ゆめ》ではない。
やつぱり片袖《かたそで》なかつたもの、そして川《かは》へ落《おつ》こちて溺《おぼ》れさうだつた
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