したのじゃで。」
 と、眉を開いてきっぱりという。
 膝《ひざ》でじりりとすり寄って、
「ええ、嬉しい。貴下、よくおっしゃって下さいました。」
 としっかと膝に手をかけて、わッとまた泣きしずむ。廉平は我ながら、訝《あや》しいまで胸がせまった。
「私と言われて、お喜びになりますほど、それほどの思《おもい》をなさったですか。」
「いいえ、もう、何ともたとえようはござんせん。死んでも死骸《しがい》が残ります、その獣の爪《つめ》のあと舌のあとのあります、毛だらけな膚《はだ》が残るのですもの。焼きましても狐《きつね》狸《たぬき》の悪い臭《におい》がしましょうかと、心残りがしましたのに、貴下《あなた》、よく、思い切ってそうおっしゃって下さいました。快よく死なれます、死なれるんでございますよ。」
「はてさて、」
「………………」
「じゃ、やっぱり、死ぬのを思い止まっちゃ下さらん。」
 顔を見合わせ、打頷《うちうなず》き、
「むむ、成程、」
 と腕を解いて、廉平は従容《しょうよう》として居直った。
「成程、そうじゃ。貴女《あなた》ほどのお方が、かかる恥辱をお受けなさって、夢にして、ながらえておいでなさ
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