しずりして、
「どうしましょう、私、どうしましょうねえ。どうぞ、どうぞ、貴下《あなた》、一思いに死なして下さいまし、恥かしくっても、死骸《しがい》になれば……」
 泣くのに半ば言消《ことき》えて、
「よ、後生ですから、」
 も曇れる声なり。
 心弱くて叶《かな》うまじ、と廉平はやや屹《きっ》としたものいいで、
「飛んだ事を! 夫人《おくさん》、廉平がここに居《お》るです。決《け》して、決《け》して、そんな間違《まちがい》はさせんですよ。」
「どうしましょうねえ、」
 はッと深く溜息《ためいき》つくのを、
「……………………」
 ただ咽喉《のど》を詰めて熟《じっ》と見つつ、思わず引き入れられて歎息した。
 廉平は太い息して、
「まあ、貴女《あなた》、夫人《おくさん》、一体どうなさった。」
「訳を、訳をいえば貴下《あなた》、黙って死なして下さいますよ。もう、もう、もう、こんな汚《けがら》わしいものは、見るのも厭《いや》におなりなさいますよ。」
「いや、厭になるか、なりませんか、黙って見殺しにしましょうか。何しろ、訳をおっしゃって下さい。夫人《おくさん》、廉平です。人にいって悪い事なら、私は
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