れ》の処ですが、」
「もう、夜があけましたのでございますか。」
「明けたですよ。明方です、もう日が当るばかりです。」
聞くや否や、
「ええ!」とまた身を震わした。浦子はそれなり、腰を上げて立とうとして、ままならぬ身をあせって、
「恥かしい、私、恥かしいんですよ。先生、どうしましょう、人が見ます。人が来ると不可《いけ》ません、人に見られるのは厭《いや》ですから、どうぞ死なして下さいまし、死なして下さいましよ。」
「と、ともかく。ですからな、夫人《おくさん》、人が来ない内に、帰りましょう。まだ大して人通《ひとどおり》もないですから。疾《はや》く、さあ、疾く帰ろうではありませんか。お内へ行って、まず、お心をお鎮めなさい、そうなさい。」
浦子は烈《はげ》しく頭《かぶり》を掉《ふ》った。
二十五
為《せ》ん術《すべ》を知らず黙っても、まだ頭《かぶり》をふるのであるから、廉平は茫然《ぼうぜん》として、ただ拳《こぶし》を握って、
「どうなさる。こうしていらしっては、それこそ、人が寄って来るか分りません。第一、捜しに出ましたのでも四人や八人ではありません。」
言いも終らず、あ
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