プランタンで初《はじ》めて麻雀《マアジヤン》を遊《あそ》んだ人達《ひとたち》に文人《ぶんじん》、畫家《ぐわか》が多《おほ》かつたといふのと相俟《あひま》つて、麻雀《マアジヤン》と文藝《ぶんげい》との間《あひだ》には何《なに》か一|種《しゆ》のつながりがあるやうな氣持《きもち》さへする。それにさすがは文學《ぶんがく》の國《くに》支那《しな》の遊《あそ》びで[#「遊《あそ》びで」は底本では「遊《あそ》びて」]、役《やく》の名《な》に清一色《チンイイソオ》とか、國士無雙《コオシフウサン》とか、海底撈月《ハイチイラオイエ》とか、嶺上開花《リンシヤンカイホウ》とか、四喜臨門《スウシイリンメン》とかいふやうな如何《いか》にも詩味《しみ》のある字句《じく》を使《つか》つてあるのも面白《おもしろ》い。恐《おそ》らくこれ等《ら》の字《じ》に就《つ》いての感《かん》じが分《わか》るといふだけでも僕等《ぼくら》日本人《にほんじん》は歐米人達《おうべいじんたち》よりもずつとずつと麻雀《マアジヤン》を味《あぢは》ひ樂《たの》しみ方《かた》が深《ふか》いだらうと想像《さうざう》される。
さて初《はじ》めに書《か
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