て聲援した。
「何、不滿がある……」と、聞き返しながら、先生は血走つた視線を私に向けた。
「さうです。第一先生の講義はちつとも面白くありません。先生の時間に出るのは退屈なばかりです。私達は愉快な講義を聞いて、面白く勉強したいと思ひます。處が……」體中はわくわくしながらも、喋舌《しやべ》り出してみると、思ひの外私の舌は滑《なめら》かに動いた。「處が、先生は何時も厭《い》やさうな顏をしてお教へになります。そして先生のお教へになることはちつとも身に染《し》みません。」
「さうです、さうです……」みんなは咽喉《のど》に詰つたやうな聲で、雷同した。先生は、若々しい血の思慮もなく劇しい語調で喋舌る私を、呆氣《あつけ》に取られたやうな面持《おももち》で見てゐた。
「先生は何故もつと快活になつて下さらないのです。先生の顏附は何時も苦蟲《にがむし》を噛み潰したやうな顏です。」
「何、顏……」と、先生は苦笑しながら聞き返した。「顏を快活にしろつたつて、これは持前だから爲方《しかた》がない……」みんなは冷嘲的にわつと笑つた。
「然し、人間は感情の動物です。先生が不愉快な顏附で講義して下されば、聞いてゐる私達
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