三作家に就ての感想
南部修太郎

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)讀《よ》んで

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)一歩|進《すゝ》めて

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)里見※[#「弓+享」、第3水準1−84−22]

/\:踊り字
(例)いろ/\な
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−

     一、有島武郎氏

 私は有島武郎[#「有島武郎」に丸傍点]さんの作品を讀《よ》んで、作品のうちに滲《にじ》んでゐる作者の心の世界《せかい》といふものゝ大きさや、強さといふものを深く感《かん》じます。そして、線の非常《ひじやう》に太い、高らかなリズムをもつてゐるやうな表現力《へうげんりよく》が鋭く心に迫つて來るやうな氣《き》がします。そして、如何にも作者が熱情的《ねつじやうてき》で、直情徑行的《ちよくじやうけいかうてき》な人であるやうな氣持がしますけれども、最う一歩|進《すゝ》めて、作品《さくひん》の底《そこ》を味つてゐると、寧ろ作者
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