月世界跋渉記
江見水蔭
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)悉《ことごと》く
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)空中飛行船|翔鷲号《しょうしゅうごう》は
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#感嘆符三つ、35−上−18]
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引力に因り月世界に墜落。探検者の気絶
「どうしよう。」
と思うまもなく、六人の月世界探検者を乗せた空中飛行船|翔鷲号《しょうしゅうごう》は非常な速力で突進して月に落ち、大地震でも揺ったような激しい衝動をうけたと思うと、一行は悉《ことごと》く気絶して終《しま》った。
そもそもこの探検隊は目下日本で有名な否《いな》世界中に誰知らぬ者もないほどに有名な桂田《かつらだ》工学博士と、これもその道にかけては頗《すこぶ》る評判の月野《つきの》理学博士とによって主唱され、それに両博士の助手が二名、及び星岡光雄、空知晴次といういずれも中学四年生の少年とで組織されているので、一行は桂田博士が発明した最新式の空中飛行船
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