である。しかしその頃は単に飾り物に使うだけの事で栽培もあまり盛んでなかったが、十九世紀になって後だんだん食用せらるるようになったそうである。[#地から1字上げ](明治四十年十一月十七日『東京朝日新聞』)
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四十
ノルウェーの夫婦匙《めおとさじ》
ノルウェーで結婚式の時に用いる木彫の匙《さじ》がある。鎖で二つの匙をつないだようなものであるが、ただ一本の木で作るそうな。結婚の朝、新郎新婦はこの夫婦匙で睦まじく御馳走を食うという。
リウマチスと蜂の毒
蜂に刺されるとリウマチスが癒《なお》るという云い伝えが英国辺りで昔から行われているので、その真否を試すために材料を集めている人がある。我邦でもそういう例があるかどうだか御存じの方は教えて頂きたい。
[#地から1字上げ](明治四十年十一月十九日『東京朝日新聞』)
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四十一
一種の迷信
英国デボンシャイアのある町に百二十年来営業を続けている牛肉屋があるが、開店の昔から今日まで店に屋号というものがない。この店の先祖がどういう訳だか
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