そういう意識をもって作句してもしかるべきではないかと思うのである。しかしこれについては、古来の作例について具体的に系統的な調べをした上でなければ確定的な議論はできないので、ここにはただ一つの研究題目として提出するにとどめておく。
定座の配置のしかたもまたはなはだ興味あるものである。表六句の中に月が置かれているのはこの一ページのうわずるのを押える鎮静剤のようなきき目をもっている。裏十二の中に月と花が一つずつあってこの一楽章に複雑な美しさを与える一方ではまたあまりに放恣《ほうし》な運動をしないような規律を制定している。月が七句目のへんに来ているのは、表の月に照応してもう一度同じテーマを繰り返すことによって表の気分を継承した形である。そうして名残《なごり》の表に移らんとする二句前に花が現われて、それがまさにきたらんとするほがらかな活躍を予想させるようにも思われる。さて、いよいよ名残《なごり》十二句のスケルツォの一楽章においては奔放自在なる跳躍を可能ならしむるため、最後から一つ前の十一句目までは定座のような邪魔な目付け役は一つも置かないことにしてある。しかしこの十一句目に至ってそこで始めて次
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