花との二つに負わせた事にも興味がある。これは一つには古来の伝統による雪月花の組み合わせにもよる事であろうが、しかし月花の定座に雪を加えてはたしかに多すぎてかえって統率が乱れる。しかしいずれか一つではまたあまりに単調になる。だいたいにおいて春の花のほがらかさと、秋の月の清らかさとを正と負、陽と陰の両極として対立させたものであるに相違ない。音楽で言わば長音階と短音階との対立を連想させるものもある。もちろん定座には必ず同季の句が別に二句以上結合して三協和音のごとき一群をなすのであって、結局は春秋季題の插入《そうにゅう》位置《いち》を規定する、その代表者として花と月とが選ばれているとも言われる。そうしてこの二つのものが他の季題に比べて最も広い連想範囲をもちうるために代表者に選ばれたことも事実であろう。しかし自分のおもしろいと思うのは、この定座の月と花とが往々具体的な自然現象としてではなくむしろ非常に抽象的な正と負の概念としてこの定座の位置に君臨している観があるということである。もちろんそうでない場合もまたはなはだ多いようであるがだいたいにおいては自然にそうなるべきはずのものではないかと思われ、
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