る黄金色の猫の姿が、輝くような強い色彩で描かれている。その想像の絵が実際に目で見たであろうよりもはるかに強い現実さをもって記憶に残っている。
「三毛」はいろいろの点において「玉」とはまさに対蹠的《たいせきてき》の性質をもった雌猫であった。だれからもきれいとほめられる容貌《ようぼう》と毛皮をもって、敏捷《びんしょう》で典雅な挙止を示すと同時に、神経質な気むずかしさをもっていた。もちろん家族の皆からかわいがられ、あらゆる猫へのごちそうと言えばこの三毛のためにのみ設けられた。せっかく与える魚肉でも少し古ければ香をかいだままで口をつけない。そのお流れをみんな健啖《けんたん》な道化師の玉が頂戴《ちょうだい》するのであった。
満七年の間に三十匹ほどの子猫の母となった。最後の産のあとで目立って毛が脱けた。次第に食欲がなくなり元気がなくなった。医師に見てもらうとこれは胸に水を持ったので治療の方法がないとの事であった。この宣告は自分たちの心を暗くした。そのころはもう一日ほとんど動かずに行儀よくすわっていて、人が呼ぶとまぶしそうな目をしばたたいて呼ぶ人の顔を見た。そうしていつものように返事を鳴こうとする
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