として、チャム、モン、クメール、マラヨポリネシア系の言語によって解釈を試みておられる。しかし自分の見るところでは、アイヌ語らしい地名もかなり見受けられるからここには主にその方のものを並べてみる事にする。
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種崎《タネザキ》 アイヌの「タンネ」は長い[#「長い」に傍点]。「サッカイ」は砂堆[#「砂堆」に傍点]ですなわち長い砂嘴[#「砂嘴」に傍点]。(大阪近くの境も出雲の境も砂嘴か。)
孕《ハラミ》 「パラモイ」は広き静処[#「広き静処」に傍点]で湾の名になる。しかしチャムで「ハラム」は閉鎖[#「閉鎖」に傍点]の義であるからその方かもしれぬ。
比島《ヒシマ》 「ピ」は小の義、「シュマ」は石[#「石」に傍点]。
サ島 「サ※[#小書き片仮名ト、1−6−81]」は乾[#「乾」に傍点]、乾出せる岩礁か。
万々《ママ》 「メム」は沼[#「沼」に傍点]またラグーン[#「ラグーン」に傍点]。
物部《モノベ》 「ポロペッ」大河[#「大河」に傍点]。
韮生《ニラフ》 「ニナラ」高原[#「高原」に傍点]。また「ニ」樹[#「樹」に傍点]「オロ」豊富[#「豊富」に傍点]
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