短歌の詩形
寺田寅彦
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)犀《さい》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)到底|喙《くちばし》を容れる資格
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)孑※[#「子の一が右半分だけ」、第4水準2−5−87]《ぼうふら》
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比較的新しい地質時代に日本とアジア大陸とは陸続きになっていて、象や犀《さい》の先祖が大陸からの徒歩旅行の果に、東端の日本の土地に到着し、現在の吾々の住まっているここらあたりをうろついていたということは地質学者の研究によって明らかになった事実である。しかしその頃既に人間の先祖が象と一緒に歩いていたかどうかはよく分らない。
それはとにかく、日本が大陸から千切れて島国になっても、船というものを造ることに成効した人間は、永い間に、何遍となくそうして色々な方面から日本の国に渡って来たであろう。それと同時に多種多様な民族の色々な文化の流れがこの極東の細長い島環国の中に合流し集注したであろう。従って我等
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