津田青楓君の画と南画の芸術的価値
寺田寅彦
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)如何《いか》に
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)紹介したいという|私の動機《プライヴェートモーチヴ》から
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「十−一」、第3水準1−14−4]
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私は永い前から科学と芸術、あるいはむしろ科学者と芸術家との素質や仕事や方法に相互共通な点の多い事に深い興味を感じている。それで嗜好趣味という事は別として、科学者として芸術を論じるという事もそれほど不倫な事とは思われない。のみならず自身に取っては芸術上の問題を思索する事によって自分の専門の事柄に対して新しい見解や暗示を得る事も少なくないのである。それと同時に、科学者の芸術論が専門の芸術評論家の眼から見て如何《いか》に平凡幼稚なものであっても、芸術家の芸術論と多少でも異なるところがあらば、それは少なくも或《あ》る芸術家のために何らかの参考にならぬとも限らない。もしそうだと
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