に冷えるが内部は急には冷えない、それが徐々に冷える間は、岩質中に含まれたガス体が外部の圧力の減った結果として次第に泡沫《ほうまつ》となって遊離して来る、従って内部が次第に海綿状に粗鬆《そそう》になると同時に膨張して外側の固結した皮殻《ひかく》に深い亀裂を生じたのではないかという気がする。表面の殻《かく》が冷却収縮したためというだけではどうも説明がむつかしいように思われる。実際この種の火山弾の破片で内部の軽石状構造を示すものが多いようである。
 それからまた、ちょっと見ると火打ち石のように見える堅緻《けんち》で灰白色で鋭い稜角《りょうかく》を示したのもあるが、この種のものであまり大きい破片は少なくもこのへんでは見当たらない。
 厚さ一センチ程度で長さ二十センチもある扁平《へんぺい》な板切れのような、たとえば松樹の皮の鱗片《りんぺん》の大きいのといったような相貌《そうぼう》をした岩片も散在している。このままの形で降ったものか、それとも大きな岩塊の表層が剥脱《はくだつ》したものか、どうか、これだけでは判断しにくいが、おそらく後者であろう。こんな薄っぺらなものが噴出されたとしても、空中で衝突し
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