前にはこういう特別な「善行デー」などよりむしろ「悪行デー」とでも名づくべきものが多かったような気がする。
田舎の農夫等が年中大人しく真面目に働いているのが、鎮守《ちんじゅ》の祭とか、虫送りとか、盆踊りとか、そういう機会に平生の箍《たが》をはずして、はしゃいだり怠け遊んだりした。近年は村々に青年会などという文化的なものがあるからおそらく昔のような事は見られまい。また私の郷里では昔天長節の日に市の公園で「お化け」と称する仮装行列が行われた。これも真面目な勤勉な市民が羽目をはずして怠け巫山戯《ふざけ》る日であった。これは警察の方でとうに制限を加えたようである。
どんな勤倹な四民も年に一度のお花見には特定の「濫費デー」を設けた。ある地方の倹約な商家では平日雇人のみならず主人達も粗食をしていて、時々「贅沢デー」を設けて御馳走を食ったという話もある。もっともこれは全く算盤《そろばん》から割り出した方法だそうではあるが。
「無礼講」という言葉が残っており、西洋でも「エプリルフール」という事がある。
あれほど常識的な英国にでもわれわれに了解の出来ないほど馬鹿げた儀式が残っているようであるが、それ
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