》君は葡萄一株拾ったそうだが、僕は小鳥を一羽拾った。
このあいだかなり寒かった朝、日の当たった縁側に一羽のカナリヤが来て、丸くふくれ上がって、縁の端の敷居につかまっていた。
人を見ても逃げもせず、かえって向こうから近寄って来た。
どこかにしまってあるはずの鳥籠を探しているうちに、見えなくなったと思ったら、納戸《なんど》の中へはいり込んでいた。
籠に入れてから、さっそく粟を買って来て、それを餌函《えばこ》に入れてやろうとしていると、もう籠の中からそれを見つけてしきりに啼き立て、早くくれとでもいうように見えた。
菜っ葉をやると、さもうまそうについばんでは、くちばしを止まり木にこすりつけた。
日向《ひなた》につるしてやると朗らかに鳴きだしたが、声を聞いてみると立派なローラーである。
猫の「ボウヤ」が十月に死んでから、妙にさびしくなった家が、これでまた急ににぎやかになったような気がして、それからは、毎朝新しい菜っ葉をやっては、玉をころがすような朗らかなワーブリングを聞くのが楽しみであった。
ところが、今朝家人がえさを取り替える際に、ちょっとの不注意で、せっかくのこの楽しみを再び
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