えることの好きな国民ではないかという気がする。
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琴
学生時代には本郷へんの屋敷町を歩いているとあちらこちらの垣根の中や植え込みの奥から琴の音がもれ聞こえて、文金高島田《ぶんきんたかしまだ》でなくば桃割れ銀杏返《いちょうがえ》しの美人を想像させたものであるが、昨今そういう山の手の住宅区域を歩いてみても琴の音を聞くことはほとんど皆無と言ってもいいくらいである。そのかわりにピアノの音のする家が多くなったが弾いている曲はたいてい初歩の練習曲ばかりである。まっ黒な腕と足を露出したおかっぱのお嬢さんでない弾き手を連想するのは骨が折れるようである。
たまにいい琴の音がすると思ってよく聞くとそれはラジオである。
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漫画
新聞の日曜附録の一ページに大掃除を題材にした漫画がいろいろ出ている中に岡本一平《おかもといっぺい》氏のがある。おかっぱ洋装の孫娘がお祖母《ばあ》さんとバタ入れとにほこりがかからないようにと大きな鶏籠のようなものをすっぽりかぶせておいたのをおかあさんが見つけて驚いて籠を引き起こしている図である。おばあさんはおとなしくバタ入れとい
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