があった。おまけに名まで変っているのであったが、その人は快活で無頓着《むとんじゃく》な性質で自分の姓名の変なことなど意に介しないように見えた。ところがその人の子供が小学校へはいるころになって重大な問題がその名字にからんで起こって来た、と言うのは、その子が学校でみんなにその名前をからかわれ笑われるのをひどく気にして学校がいやになり気持ちがだんだんひがんで来た。そうして、そのためだかどうだか、そこまではだれにもわからないが、とにかくまもなく病死してしまった。その後その子の父は郷里へ帰って家系に関する徹底的の調査をして、何かしら適当の理由らしいものを捜し出し、それを申し立ててやっとの事で革姓の手続きを済ますことができた。
 これで思い出すのは、昔|紅葉山人《こうようさんじん》の書いた何かの小品の中に、物好きな父親がその女の子におさるという名をつけた話があったように思う。妙齢《みょうれい》になってしかも人並みすぐれて美しい娘を父親が人前でおさるおさると呼び立てた、というのである。その結果がどうなったかは忘れてしまった。
 電車の運転手や車掌には実際変った姓名が多いようである。しかし、これが、異
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