おそらく莫大なものであろうと思われた。ちょっと見積もっても数千という数であろうと思われる。
この群れはどこの池沼で発生して、そうしてどこを目ざして移住するのか。目的地の方向を何で探知するか。渡り鳥の場合にでも解釈のつきにくいこれらの問題はこのいっそう智能の低い昆虫の場合にはいっそうわかりにくそうである。
二匹ずつつながっているのが、それぞれ雌雄のひとつがいだとすると、彼らの婿《むこ》選み嫁《よめ》選みがいかにして行なわれるか。雌雄の数が同一でない場合に配偶者をもとめそこねた落伍者《らくごしゃ》の運命はどうなるか。
こうした問題が徹底的に解かれるまでは人間の社会学にもまだどんな大穴が残され忘れられているかもしれないであろう。
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省線電車渋谷駅の人気者であった「忠犬」の八公《はちこう》が死んだ。生前から駅前に建立《こんりゅう》されていたこの犬の銅像は手向《たむけ》の花環に埋もれていた。
たかが犬一匹にこのお祭り騒ぎはにがにがしい事だと言ってむきになって腹を立てる人もあった。
しかし、これがにがにがしければすべての「宗教」はやはりにがにがしく腹
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