ィもしろい。現代の職業的科学者のうちには科学者の着物を着た迷信家がたくさんあるのに、二十世紀前に生まれて、エレクトロンの何であるかも知らなかったローマの詩人に、この徹底した科学者魂を発見するのはいささか皮肉である。
そうして彼は次の数句を歌う。
[#ここから3字下げ]
This terror, then, this darkness of the mind,
Not sunrise with its flaring spokes of light,
Nor glittering arrows of morning can disperse,
But only Nature's aspect and her law,
[#ここで字下げ終わり]
この句は後にもしばしばリフレインとして繰り返さるる。私はこの四句をどこかの科学研究所の喫煙室の壁にでも記銘しておいてふさわしいものであると思う。
この次の二句は
[#ここから3字下げ]
Which, teaching us, hath this exordium:
Nothing from nothing ever yet was born.[
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