まだ自分達はやつとこの頃意識が動き出したばかりだ。この時にあたつて自分はゴルドマンの如き婦人を先覚者として見出し得たことを限なく嬉しくなつかしく思ふ。そして自分はこの尊敬すべき婦人の熱誠をこめたこの書を凡《すべ》ての若き姉妹達の机上に捧げたいと思ふ。
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この書に収めたエレン・ケイの小伝は『恋愛と結婚』の序文でらいてう氏の手に訳されたものをそのまゝ拝借したのです。私のこの小さないとなみに心からの同情をもつていろいろ助力下すつたことを感謝いたします。またエレン・ケイの写真は宮田脩氏がお貸し下すつたものです。同氏にも深く感謝いたします。
私のこの仕事はまたTによつて完成されたものであることを私は忘れません。もし私の傍にTがゐなかつたら、とても私のまづしい語学の力では完成されなかつたでせう。この事は特にハツキリとお断りいたして置きます。
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一千九百十四年三月
[#地から1字上げ]染井にて 野枝
底本:「定本 伊藤野枝全集 第四巻 翻訳」學藝書林
2000(平成12)年12月15日初版発行
※ルビを新仮名遣いとする扱いは、底本通
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